第1回
1番札所〜9番札所
一番札所 嶺松院(伊豆市田沢)

岩ヶ根に一夜かり寝の旅まくら夢おどろかす峯の松風
山号 観富山
曹洞宗(最勝院末)
草創 大同年間(806~810)
414号線月ヶ瀬の旧道沿いにゆっくりと流れる狩野川を見下ろすように建つ静かでこぢんまりとしたお寺。境内の右手奥の岩のへこみの中に弁財天がまつられています。

遠慮なく声をかけてくださいとの事です。
二番札所 弘道寺(伊豆市湯ヶ島)

足引きの天城の山をふりさけて霧の晴れ間に拝む尊さ
山号 天城山
曹洞宗(最勝院 末寺)
草創 弘治年間 (1555-1558)
住宅街の中、狩野川を見下ろす高台にある歴史ある禅寺。
時間が合えば話上手の鈴木範良住職さんの法話を伺う事ができます。遠慮なく声をかけてくださいとの事です。

その当時の調度品が寺宝として保管されている。
幸福ˎ封禄ˎ長寿の神ˎ福禄寿尊(ふくろくじゅそん)を祭りˎ伊豆天城七福神の一つに数えられる。
三番札所 最勝院(伊豆市宮上)

宮のかみ肉牙の舎利の最勝院妙高山にのぼるうれしさ
山号 妙高山
曹洞宗(最勝院 本山)
草創 1433(天文元年)
本尊 釈迦牟尼仏ˎ他に秘仏の火防大菩薩が安置
高僧吾宝禅師によって開山された曹洞宗の本山。曹洞宗吾宝五派1400余ヶ寺の本山で歴史と風光の名刹。格式高く由緒ある寺院。2番札所 弘道寺ˎ4番札所 城富院ˎ5番札所 玉洞院は末寺。


四番札所 城富院(伊豆市城)

尊さやみ法に富める白銀の誓いをここにきくぞうれしき
山号・泉首山
曹洞宗(最勝院 末寺)
草創 天文12年(1542)
本尊 観世音菩薩
後奈良天皇の天文中最勝院七世笑山精真和尚開創の寺で後北条氏五代の祈願所であり、また大見三人衆の一人佐藤々左衛門の位牌所でもある。集落の最奥の高台にあり、のどかな山郷の風景が満喫できる。


五番札所 玉洞院(伊豆市牧の郷)

現当の願いもみつる玉洞の大悲の誓いたのしかるらむ
山号 吉原山
曹洞宗(最勝院 末院)
草創 不明
本尊 十一面観世音

本堂までの参道はかなり長く、階段を登る。
境内には樹齢100年以上の枝垂れ桜の大木があり、時期には見ごろになる。
六番札所 金剛寺(伊豆市大沢)

谷深きあまねく照らす金剛寺大師の誓いありがたきかな
山号 大沢山
真言宗(高野山金剛峰寺・末)
草創 天文年中(1532-55)
本尊 大日如来
檀家を持たない寺。真言密教の曼荼羅や仏の身・口・意の三密を表す三鈷杵がある。開祖は修行中に芸者と密通しこの地に流され着た。との事。境内の庭園に古い石碑が数多く有り本堂も半世紀前の面影を漂わせている。
明治初期頃の豆国(伊豆)八十八ヶ所霊場を彫り入れた版木が貴重な資料として保管されこの版木がもとで伊豆八十八ヶ所霊場の遍路が再興した。お接待を受けた場合は断らず、浄財を心がけたい。


七番札所 泉龍寺(伊豆市堀切)

なかなかになお里近くなりにけりあまりに山の奥をたずねて
山号 東嶽山
曹洞宗(修禅寺・末)
草創 1500(明応九年)
庭の美しい情緒豊かな寺院。焼香の踏み台の足下は四国八十八ヶ所巡礼の砂で埋めてり、踏石の上でお経をあげると御利益があると言われている。

明応9年(1500)伝覚泰心院主にして、玉泉寺と称して真言宗に所属していたが荒廃してしまった。
寛文7年(1667)壊れを修復し、寺名を泉竜寺と改め曹洞宗となった。
寺の先代住職 丹羽圓宗師(隠居)が「伊豆八十八ヶ所霊場」の著者である。


八番札所 益山寺(伊豆市堀切山田)

御仏のよろずの願のその中に益山寺と分けのぼる道
山号 養加山
真言宗(高野山真言宗)
草創 弘法大師、期不明
山の中腹にある山寺。車から降りて参道を登っていくと「○号目」と書かれた地蔵が点在する。 何合目が頂上なのか知らずに訪れるので、ひたすら息が切れるほど登ることになる

夏場は大小の沢蟹が道を横切り、蜩が鳴き風情がある。
本堂下の庫裡には千手観音の「のぼり」が立つ。山奥の寺であるが、手入れが行き届いている。

九番札所 澄楽寺(伊豆の国市三福)

有為の世の夢をみふくの澄楽寺さめてうれしき春風ぞふく
山号 引摂山
真言宗(高野山金剛峰寺末)
草創 延暦十年791(791)
弘法大師・開創
本尊 不動明王
